久米寺方面から徒歩で『益田岩船』に向かいました。益田岩船は前から実際に見てみたかった飛鳥地方のミステリアスな巨石群のひとつです。よければこちらもご参考にどうぞ。

近鉄橿原神宮前駅からでも飛鳥駅からでも行くことはできるんですが、どちらからでも徒歩ではけっこうかかるので駅前でレンタサイクルを借りて行くのがおすすめです。遺跡は貝吹山(石船山)の頂上付近にありました。登り口には登山用の杖が置かれていました。5分もあれば登り切れる距離ですが、わりと急な坂道が続くので歩きやすい靴で行った方がいいかと思われます。

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登山口はこんな感じになっています。奥に行くにつれて階段があるのは手前の方だけで、奥は山道です。人一人やっと通れるぐらいの細い道もありました。

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竹藪の中にあるので夏場は蚊に注意です。山道を登り切ったところに巨大な石造物が見えてきました。益田岩船は花崗岩でできているそうです。

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重さは約800トンもあると言われていて、東西の長さ11m、南北8m、高さ4.7m(台座部分)の規模を誇ります。

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誰が何のために造ったのかは判明していないらしいのですが、以下のような説があります。

①益田池の台石説
②構口式石槨説(石に亀裂が見つかったため途中で作業が中断)
③占星台の基礎説
④物見台説
⑤弘法大師が造った巨大な石碑の台石

弘法大師は久米寺ともゆかりのある人物で、久米寺の案内文に益田岩船の記述があります。

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近くで見ると模様のようなものが彫られています。

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上から見ると溝状の切り込みがあり、穴が開けられているのが分かります。

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7世紀時代の古墳の特徴と一致するところもあり、古墳時代に造られたものではないかという説もあるようです。

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本当に見れば見るほど不思議な石です。こんな山の頂上付近に造られたのにも何か目的があるのでしょうか。今後も謎は謎のままなのかもしれません。

飛鳥駅と橿原神宮前駅の両駅からは少し離れた位置になりますが、ここだけ別世界のような俗世とは切り離されたような不思議な空間になっています。不思議な石造物に興味がお有りの方は是非行ってみることをおすすめします。

ちなみに付近には『牽牛子塚古墳』という古墳があるのですが、もしかしたらこの古墳が年内に公開されるかもしれません。以前訪れた時は整備中だったんですがだいぶ出来上がってきている様子でした。八角形の古墳で古墳時代終末期のものと考えられています。


益田岩船の地図



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