奈良県高市郡明日香村のあちこちには、誰がどのような目的で作ったのか謎に包まれた不思議な石があります。亀石、二面石、猿石など具体的な姿かたちをしているものもあれば、注連縄が巻かれ祀られているような石もあります。

今回はあまり観光では行かないような場所にある『くつな石』を紹介します。場所は明日香村の阪田という棚田が広がる地区。

横穴式石室の中に家形石棺が収められた都塚古墳の前から続く坂を1キロほど登って行った山中にあります。

都塚古墳の記事はこちら


鳥獣対策なのかは分かりませんが施錠されたフェンスを開けて中に入ります。くつな石が祀られた場所まではそれほどかかりません。

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石の手前には由来が書かれた看板があります。

昔、石屋がこの石を切り出そうとしたところ、石が血を流し傷ついた蛇が現れたそうです。

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その後石屋は高熱と激しい腹痛に襲われ亡くなってしまいました。村人たちはこれを祟りとおそれ、くつな石を『神の宿る石』として祀るようになったそうです。

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石は木の根と同化しているようにも見えます。近づいて見てみました。

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近くで見てみるとヒビのような跡や、ひっかき傷のような跡が確認できます。伝承の通り、石屋が切り出そうとした時についた傷なのかもしれません。

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伝承はおどろおどろしいものですが、この石自体は近くで見ても嫌な感じは全くしませんでした。

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むしろ樹々に囲まれてとても落ち着く場所で、ひと時の間ここで休憩させてもらいました。

この石が気になられた方は是非都塚古墳のさらに先まで足を運んでみてください。ちなみにフェンス付近まで自転車で行くことができます。







くつな石の地図




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