今回から数回にわたって大阪府和泉市・泉大津市の神社をご紹介します。まずJR西日本阪和線北信太駅で下車し、徒歩5分ほどのところに鎮座する信太森葛葉稲荷神社へ。安倍晴明の母・葛葉姫ゆかりの神社とのことで以前から行ってみたかった神社です。

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創建年は不詳ですが、もともと聖神社の末社・若御前ノ宮を中村の庄屋森田氏が屋敷神に取り込んだ社だったようです。1740年頃に稲荷神を勧請し、現在の信太森葛葉稲荷神社となったそうです。

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主祭神は宇迦御魂神、大己貴命、大宮姫命・素盞男命、猿田彦命、葛葉姫で商売繁盛の他、良縁祈願や安産祈願にご利益があるとされています。

葛葉姫は陰陽師で知られる安倍晴明の母(白狐)であり、晴明の父である安部保名に助けられたことから人間に姿を変え保名のもとを訪ね、後に正体がばれ別れが訪れるまで夫婦生活を送ることになります。この物語は葛の葉物語として知られ、文学・歌舞伎で上演されているようです。

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神紋には葛葉姫にちなんだ葛葉があしらわれています。

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神社は樹々に覆われかつてここが森だったことが分かります。葛葉姫がかつて暮らし、白狐に戻った後にまた戻っていった森です。

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提灯にも葛の葉が描かれています。本殿内には白狐石や御霊石が保存されているそうです。

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本殿左手には樹齢2,000年の楠の大木があります。根本に楠大明神が祀られており、縁成就や夫婦円満にご利益があるそうです。

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「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉 」と刻まれた石碑:正体が白狐だと悟られ、葛の葉の森に姿を消した葛葉姫の心情を詠ったもの。

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安倍晴明遥拝の石で、安産にご利益のある子安石。

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姿見の井戸:安部保名(安倍晴明の父)に助けられた白狐が葛の葉に変身した際、鏡代わりとして姿を写して確認した井戸。

葛葉姫が無事森に帰りついたことから、旅に発つ前にこの井戸に姿を写しておけば無事帰り姿を写すことができると言われているそうです。実際に井戸の中を覗き込めるようになっていました。

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本殿奥は公園のようになっており遊具が設置されていますが、その周りには多くの塚がありたくさんの神様や不動明王などが祀られていました。玉垣に名前が刻まれているものも多く、氏子の方が奉納されたものもあるようです。

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神社の駐車場付近に社務所もあり、授与品や御朱印などはそちらでいただけるようです。和菓子なども販売されていました。


安倍晴明ゆかりの神社








信太森葛葉稲荷神社の地図




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