宇治で最後に訪れたのが世界文化遺産・平等院鳳凰堂のすぐ近くに鎮座する縣(あがた)神社です。創建年は不詳ですが、平安時代中期の1052年に藤原頼通によって宇治殿が平等院とされた際、平等院の鬼門に当たることから鎮守社となったようです。


縣神社のご祭神は、日本神話にも登場する火の神様・木花開耶姫命(このはなさくやひめ)で、桜の花にたとえられた美貌と安産、子宝、縁結びなどのご利益があるとされています。
木花開耶姫命は山を司る大山祇神の娘で、天照大神の孫である邇邇芸命の妻となりましたが、一夜にして身ごもったため邇邇芸命に疑われ、恥じ恨んだ木花開耶姫命は出口のない産屋に籠って火の中で三柱の神を生んだと伝えられています。


江戸時代には民間信仰が盛んになり、毎年6月5日に県まつりが行われるようになったそうです。通りにはびっしり露店が並び、10万人を超える人出で賑わう大きな祭だそうです。祭のクライマックスとなる「梵天渡御」は5日の深夜、周囲の明かりが消された中で梵天が渡御されるこの祭は、「暗夜の奇祭」とも呼ばれているそうです。
綏邦書院と茶室棠庵は、御本殿東側にあり、茶会や歌会、俳句会などに利用されているようです。薮内流御宗家のご奉仕により宇治茶と茶道の隆盛が祈願される献茶祭が毎年行れ、式典後には参拝客にも抹茶が振る舞われ、挽きたての抹茶が味わえるそうです。


縣の森と呼ばれていた神社の境内には樹齢500年以上といわれるむくのご神木が聳えています。
縣神社を後にして、八幡市へ向かいました。お蕎麦屋さんでお昼を食べた後、石清水八幡宮へ。

行きはケーブルカーで山頂付近まで行き、帰りは歩いて下山しました。

男山の山頂に創建された石清水八幡宮は日本三大八幡宮の1社に数えられる大社としても知られています。
総門は東西南北4か所あり、摂社の一部とともに重要文化財に指定されています。


本殿は現存する中で最古・最大の八幡造で建てられており、国宝に指定されています。