ポーランド旅行2日目(日本出発から3日目)はポーランド鉄道を利用してクラクフという世界遺産に指定された地区がある都市に行きました。

旅の計画を立てている時にワルシャワには訪問せず、クラクフにだけ滞在してアウシュビッツ・ビルケナウに日帰りで行くというプランもあったのですが、今回は初めてのポーランドということもあり首都であるワルシャワに滞在して余裕があれば他の地域にも行ってみることにしました。

ポーランド鉄道は当日券売機やカウンターで買う手段もありましたが、オンラインで指定席を購入できるのと事前購入(2週間前)で割引が受けられることが分かったので公式サイトから購入しました。



ポーランド語と英語に対応しており、乗車予定日・区間・列車の種類(5タイプぐらいあり乗車時間の短いものほど高額)・車両のグレードなどを指定すると座席指定のページに遷移するので、座席を選びカード決済する、という流れになります。

今回行きは3,000円で約3時間かかる列車、帰りは6,000円で約2時間強かかる列車という列車を選択し違いを確認してみました。

実際、行きはエアコンなしで気温は30℃超えでなかなかしんどいものになりました。帰りはエアコンが聞いていてフットレスト、充電器つきで快適でした。行きは身体的に辛かったものの、隣に座ったおばぁさんがとても親切な方で具合が悪そうな私を気遣ってくれたり、明るく声をかけてくれたりしたので一人旅でも人の温かさが感じられ旅行全体を振り返っても思い出に残る時間でした。

おばぁさんはクラクフのさらに先まで行くらしく、クラクフ駅で別れ駅を出てクラクフ歴史地区に向かいました。世界遺産に指定される地区で、中世の街並みが残っています。

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街中をトラムが行き交っていて中世の街並みの中に近代的な要素が溶け込んでいました。今回は少し離れた場所にも行く予定でしたが、マップで見ると2キロちょっとの距離だったので歩いて街中を散策することにしました。

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クラクフの花屋。

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到着したのが正午(日本はもう夕方)だったので先にお昼ご飯を食べることにしました。日本にいる時に調べておいたポーランド料理のお店へ。織物会館という建物の近くにあるDobra KASZA NASZAというお店です。英語のメニューもあり、店員さんは簡単な英語が喋れます。

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珍しい雑穀料理のお店で、旅行では不足しがちな食物繊維が補えるので良いかなと思い選んだお店です。雑穀(ソバの実)にチキンや野菜の入ったオーブン焼き(ガーリックソース)とキャロットとアップルのサラダ(キャロットラぺのような味)、ブラックカラントのジュースをいただきました。全部で2,500円くらいです。

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けっこう量が多くて完食できませんでしたが、優しい味で美味しかったです。

食後、川に架かる橋を渡りオスカーシンドラーのホーロー工場があった場所へ。現在は博物館のような場所になっています。

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映画シンドラーのリストを見た方ならご存じのオスカーシンドラーがユダヤ人を雇いホーロー製品の製造をしていたあの工場です。

シンドラーのリストは第二次世界大戦中のポーランドを舞台にした実話に基づく作品で、ナチス党員でありながら多くのユダヤ人を救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラーの物語です。

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最初は戦争を利用して金儲けを企むシンドラーが、ユダヤ人を安価な労働力として雇うことで事業を拡大していきますが、クラクフ・ゲットーの解体や収容所での虐殺を目の当たりにして、次第に彼の心に変化が起きていきます。特に「赤い服の少女」を見たシーンは、彼の内面に深い衝撃を与えています。

やがてシンドラーは、自分の工場で働くユダヤ人たちを守るために「命のリスト」を作り、私財を投じて彼らを収容所から救い出します。戦争が終わる頃には、彼は破産してしまいますが、1100人以上の命を救った英雄として人々の記憶に残っています。

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見るのに覚悟がいる作品ですが、一度は見ていただきたいです。

博物館内の展示は22部屋もあって、写真や映像、証言が壁から聞こえてきたり、のぞき窓の仕掛けがあったりして、五感で歴史を感じられる工夫が施されています。ゲットーの壁やプワシュフ強制収容所の再現もあり、見ていて重苦しい気持ちにはなりますが歴史を知りたいという方は是非訪れてほしい場所です。

来た道を戻り、かつてのユダヤ人街・カジミェシュ地区を散歩しました。この日は気温が40℃近くあり時差ボケも相まって疲れでぐったりしていました。

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カジミェシュ地区は他の地区とはどことなく雰囲気が異なります。ユダヤ教の教会・シナゴーグやユダヤ人の教育施設だった建物も残されていました。

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この地区にフードコートのような場所があり、そこで名物の30cmくらいある細長いピザがあるんですが、暑さと昼間に食べたボリューム満点の料理が胃に堪え食べるのを断念しました。

代わりにレモネードを飲みました。ポーランドではレストランのドリンクメニューにレモネードが必ずあるような感じで、スーパーでも様々な種類のレモネードが売られていました。

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カジミェシュ地区の土産物屋はぼったくりかと思うほど他の地区とは値段設定が異なりました。1枚800円のポストカードなどが販売されていました。普通の紙でできたポストカードです。

個人的には博物館や城など国や市が運営している観光施設などでお土産を買うのがおすすめです。

続いて坂の上にあるヴァヴェル城へ。暑さでぐったりしていて日陰もなくこの坂がかなりきつかったです。

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ヴァヴェル城は、クラクフ旧市街の南にそびえるポーランド王国の歴代君主の居城で、今回は行きませんでしたがヴィスワ川沿いにある伝説の洞窟・竜の洞窟も有名な観光スポットのようです。

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ポーランド王の戴冠式や葬儀が行われた大聖堂も隣にあります。

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丘の上からはクラクフの街並みを眺めることができ、自分がさっき歩いてきたシンドラーの工場へと続く橋も見えていました。

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クラクフでの時間はあっという間で、予約していた帰りの列車の乗車時刻が近づいてきたので駅方面へと徒歩で戻りはじめました。

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歴史地区を通り抜けて駅に向かうことに。

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日本とは街並みが全く異なるので異国にいるのが実感できました。ちなみにクラクフにはアジア系の人はほとんどいませんでした。

ピエロギの被り物をした人たちが近づいてきました。けっこう可愛いです。

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これはバルバカンというかつて城下町や城を守っていた要塞だそうです。ポーランドでは城の近くにバルバカンがあるようでワルシャワの旧市街にもあると聞きました。

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ポーランドの警官は仕事熱心で、信号無視をしている人を見つけてはけっこう厳しく注意をしていました。信号無視をする人が後を絶たないので忙しそうにしていました。

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駅前には大きなショッピングモールがあり、外が暑すぎるので出発時刻ギリギリまでモールで待機していました。

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これはクラクフ駅の外観ですがこちら側からは駅に入れなかったのでぐるっと回ることに。

駅のホームにベンチがなかったので地べたに座って待っている人がけっこういました。

日本の新幹線や特急と同じで自分が何号車の何番座席かしっかり確認する必要があるんですが、車両数が多いので車両番号ごとに1~3のセクターに分類されています。

自分がどのセクターなのか確認しておけばだいたいの乗車位置が分かるので便利です。

帰りの列車は自分の座席位置からは次がどの駅なのか表示される電光掲示板が見えない上に下車駅のアナウンスが聞き取れず焦りましたが、車内清掃(まだ人がいるのに清掃をしてた)のおじいさんにワルシャワセントラーナ(ワルシャワ中央駅のこと)に着いたら教えてくださいとお願いしていたので、何とかホテルの最寄り駅で下車することができました。

海外で鉄道に乗るのはなかなか難しいなと思います。乗れなかったらどうしようとか事前に不安が大きかったので無事に行って帰ってくることができてほっとしました。

後から旅を振り返ってもクラクフに行ったことが一番印象に残っています。何日か滞在したくなるような素敵な街でした。

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