昨年の晩秋に、奈良県宇陀市から桜井市まで初瀬街道を20キロほど歩きました。その日訪れたいくつかの神社を今回からご紹介していきます。
宇陀市のマンホール。2種類見つけました。

今回は吉隠(よなばり)という地域にある大己貴神社をご紹介します。~吉隠について~
🏞️ 地理と風景
吉隠は、宇陀市と桜井市の境界付近に位置する渓谷の集落です。山々に囲まれた谷筋に広がるこの地域は、美しい棚田で知られていて奈良県の「景観資産」にも登録されているそうです。特に雪が降る冬の棚田の様子は水墨画のような美しさがあるとパンフレットで紹介されていました。

かつてはお伊勢参りを歩いて行う人々が通ったと言われる、大和と伊勢・東海を結ぶ初瀬街道の名所だったようです。
📜 歴史と万葉集
吉隠は万葉集にも詠まれた地で、古代から人々の心に残る風景だったことがわかります。

たとえば、穂積皇子が但馬皇女を偲んで詠んだ歌が有名です:
降る雪は あはにな降りそ 吉隠の 猪養の岡の 寒からまくに
この歌に詠まれた「猪養の岡」は吉隠の一角とされています。
🏯 歴史的遺構
吉隠には古墳も点在していて、特に注目されているのが、志貴皇子の妃・紀橡姫の陵とされる円墳です。万葉集に詠まれた但馬皇女の墓ではないかという説もあるようです。

🌾 地域の取り組み
地元では棚田で育てられた「吉隠米」のブランド化を進めているようです。

大己貴神社
国道165線沿いから吉隠地域に入り棚田の畦道を進んで行くと、標高約280mの高台にある、わずか12世帯ほどの小さな集落にひっそりと大己貴(おおなむち)神社が鎮座しています。

ご祭神は大己貴命で、出雲大社の主祭神としても知られる国造りや医療の神様です。

神社には本殿がなく、背後の「宮山」そのものが御神体。

これは古代の自然崇拝の名残で、山を神として祀る原始的な祭祀形態を今に伝えているそうです。


近鉄大阪線「榛原駅」からは徒歩約24分と簡単に行ける距離ではありませんが、坂道も続くのでハイキングで長谷寺を目指して歩くのもおすすめです。

