今回は飛鳥歴史公園キトラ地区付近に鎮座する呉津彦神社をご紹介します。
付近の史跡・神社
🏯 呉津彦神社について
付近の史跡・神社
🏯 呉津彦神社について
明日香村栗原に鎮座する式内社・旧村社。
古代の渡来系氏族「呉(くれ)氏」や「身狭(むさ)氏」と深く関わりのある古い歴史を持つ神社です。

主祭神:呉氏・身狭氏の祖神である呉津孫神が祀られています。渡来系の技術者集団を率いた氏族の祖霊。
配祀神:木花咲耶姫命。富士山の女神として有名。当地では地主神として祀られた可能性があるようです。
配祀神:天児屋根命。中臣氏(藤原氏)の祖神。祭祀・祝詞の神様。

🧵 古代史の背景:呉(くれ)氏と明日香のつながり
■ 『日本書紀』雄略天皇の記述
身狭村主青(むさのすぐり・あお)という人物が呉国へ派遣される
機織・裁縫の技術を持つ 漢織・呉織・兄媛・弟媛 らを連れて帰国
雄略天皇14年3月、呉の大使を迎え、呉人を檜隈野に置く
その地を 「呉原(くれはら)」 と名付けた
この「呉原」が現在の 明日香村栗原 に比定されています。
つまり、呉津彦神社は渡来系の工人集団を率いた氏族が祖神を祀った場所 という可能性が非常に高いようです。

■ 『新撰姓氏録』の記述
左京諸蕃に「呉孫権の子・高」を祖とする 牟佐村主(むさのすぐり)
右京諸蕃に呉国の人「太利須須」を祖とする 工造(たくみのみやつこ)
これらの氏族が、明日香の技術者集団のルーツ=呉国の皇族系の渡来人
であったことを示しています。

■ ムクロジの巨樹
石段を登って右側にある大木がムクロジ。
幹周り:4.07m
樹高:25m
根張りが見事で、空洞もなく健康な巨樹で神社の鳥居をくぐり階段を上がってくると真っ先に目に入ってきます。
ムクロジは古くから「無患子(むくろじ)」と書いて、“子どもが患わないように”という縁起木として大切にされてきた木のようです。
呉津彦神社付近には栗原寺跡があり、飛鳥時代の寺院で渡来系氏族・東漢氏の氏寺(うじでら)と考えられます。こちらでは氏族の供養を行っていたのではないかと推測されます。

飛鳥歴史公園キトラ地区の近くにありますが、傾斜がきついので自転車/電動自転車でお越しの場合は公園内の駐輪場に自転車を停めて徒歩で訪問することをおすすめします。

