手宮洞窟は 1866年(慶応2年)に石工の長兵衛によって発見された洞窟で、内部の壁面には続縄文時代(約1600年前)に刻まれた貴重な陰刻画が残っています。現在は風化を防ぐため、洞窟の陰刻面をカプセルで保護した「手宮洞窟保存館」として公開されています。
保存館では、
実際の陰刻面の見学
実際の陰刻面の見学
世界の洞窟壁画の紹介
続縄文文化の生活展示
🖼 手宮洞窟の壁画(陰刻画)の特徴
代表的なモチーフは次の通り:
● 角のある人物像
シャーマン(祈祷師)を表すと考えられ、北東アジアの岩壁画と共通性があります。
● 仮面をつけた人物
四角い仮面のようなものをつけた人が描かれ、儀式性を感じさせます。
● 角のある四足動物
狩猟祈願の象徴と考えられ、アムール川流域の岩絵文化とのつながりが指摘されています。
● Y字型の反復模様
🏺 フゴッペ洞窟との違い
手宮洞窟と並び、国内で同様の陰刻画が見られるのは余市町のフゴッペ洞窟だけ。両者は同時期(続縄文時代)に刻まれたと考えられていますが、いくつか違いがあります。
小樽市の手宮洞窟と、余市町のフゴッペ洞窟は、どちらも続縄文時代(約1500〜1600年前)に刻まれた陰刻画を持つ、北海道でも極めて貴重な遺跡です。共通点は多いものの、実際に洞窟へ足を運ぶと、両者にははっきりとした個性の違いが感じられます。
まず、岩質の違いが大きなポイントです。手宮洞窟は硬い凝灰岩でできており、細かい線を刻むのが難しいため、太く力強い線が多く見られます。一方、フゴッペ洞窟は柔らかい砂岩で、細い線も刻みやすく、より繊細で複雑な図像が残されています。この素材の違いが、壁画の雰囲気そのものを左右しています。


描かれているモチーフにも違いがあります。
手宮洞窟では、角のある人物像や仮面をつけた人、四足動物、Y字模様など、どこか儀式的・象徴的な雰囲気を持つ図像が中心です。北東アジアのシャーマニズムとつながるような精神世界が感じられ、宗教的な意味合いが強いと考えられています。
一方のフゴッペ洞窟では、舟、人、魚など、海と関わる生活的なモチーフが多く見られます。余市という海に近い土地柄を反映しているとも言われ、手宮洞窟よりも日常生活に近い世界観が刻まれているのが特徴です。
このように、
手宮洞窟 → 儀礼・シャーマン的世界観が強い
フゴッペ洞窟 → 海と暮らしに根ざした図像が多い
という対照があり、同じ続縄文文化の中でも、地域や役割の違いが浮かび上がってきます。
特に岩質の違いは重要で、
手宮洞窟(凝灰岩)→硬くて細線が難しい
フゴッペ洞窟(砂岩)→細かい線が刻みやすい
という技法上の差が、図像の雰囲気にも影響しているようです。
🚶♀️ 手宮洞窟保存館の見どころ
陰刻面はカプセル保存され、明るい照明で細部まで見やすい
昭和初期に市民が建てた保護小屋がそのまま残る
世界の岩壁画との比較展示があり、文化の広がりが理解できる
📍 アクセス・基本情報
所在地:小樽市手宮1丁目3番6号
開館時間:9:30〜17:00
休館日:火曜(祝日の場合は翌平日)、冬期休館あり
入館料:一般100円、高校生・市内70歳以上50円、中学生以下無料







