日本一名前の長い神社が奈良県高市郡明日香村にあることをご存知でしょうか。

明日香村再訪記、最終回は『奥飛鳥』と呼ばれる地域に鎮座する『飛鳥川上坐宇須多伎比賣命(あすかかわかみにいますうすたきひめのみこと)神社』を紹介します。

奥飛鳥は村の中心部から南東方向にある集落群のことを指しています。

急斜面に建てられた住居や棚田などの日本の原風景とも言える景色は、『にほんの里100選』に選ばれた美しさです。

そこには自然と共生しながら暮らしてきた人々の暮らしが垣間見えます。


稲渕の棚田を通りすぎ、山道を電動自転車でスイスイ登っていくと関西大学飛鳥文化研究所の施設が見えてきます。

飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社はその少し先にあります。

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この長い社号の書かれた石柱が目印です。

神社はここから見える長い階段を登った先にあります。

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階段の先に手水舎があります。柄杓も置かれていました。

階段は200段近くあるので少しきついかもしれません。

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坂を登りきると、山の中に古びた鳥居が見えてきます。

ここが神社の入り口です。

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鳥居をくぐって中に入ると、目に飛び込んできたのはこの大きな木。

不思議な成長の仕方をしているのが気になりました。

蛇のようにくねくね曲がっていて途中で枝分かれしています。

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境内には誰もいませんでした。

よく晴れた日で日射しが差し込んでいたので明るく温かな雰囲気の場所でした。

以前一度車で訪れたことがありますが、電動自転車でも十分来れる距離でした。


飛鳥川上坐宇須多伎比賣命は山をご神体とする原始神道の神社

ご祭神は宇須多伎比売・神功皇后・応神天皇の3柱で、本殿はなく拝殿後方にそびえる南淵山がご神体です。

大字稲淵・栢森・入谷・畑の氏神様(産土神社)で、延喜式社にも数えられます。

こちらが拝殿の様子です。

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拝殿の両脇に小さな拝所が二つ並んでいます。

仁徳天皇社、武内社、明治天皇社が摂社として祀られているようです。

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かつてこの地で皇極天皇による雨乞いの儀式が行われたという説があり、明治時代まで雨乞いの『南無手踊り』が行われていたそうです。

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とても居心地が良くいつまでも居たくなるような神社でした。

もう少し暖かくなったら改めて訪れてみようと思います。

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20回以上訪れている明日香村ですが、30回、40回とまだまだ回数を重ねていくことになるかもしれません。

私は原始神道の神社に興味があるので、今後も自然と調和した神社や石造物を訪ねて記録していきたいと思います。


-飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社-
所在地:奈良県高市郡明日香村稲渕698

近鉄飛鳥駅から参拝する場合は、電動自転車か車を借りるか駅から出ている『赤かめ周遊バス』に乗り石舞台下車でそこから徒歩40~50分はかかります。
車道も狭いので個人的に電動自転車がおすすめです。
体力のある方はロードバイクや普通自転車でも。

境内に人はいませんでしたので、御朱印等がいただけるかは不明です。